UXを成果物に導くためのヒント。

先日、7月17日(土)。
青森県むつ市で開催された、Webセミナーに参加してきましたので、レポートします。

■概要
講師は、長谷川恭久さん。
テーマは、『成果物としての「UX」とはなにかを考えよう 』、つまり「UX」についてでした。
セミナーは2部制で構成。
1部は、長谷川恭久さんのセッション。
2部は、県内のWebサイト(「ぐるりんしもきた」「まっさかりまつり」)を題材にしたワークショップでした。

長谷川恭久さんは、青森と縁が深く、2007年のCSS Nite in AOMORI 2007からはじまり、2008・2009と毎年来青されているお方。
2008・2009のWebセミナーは参加できなかったのですが、参加された方々の評判や長谷川さんのBlogなどを拝見していて、とても興味深いものでした。

そして、今回。
UXがテーマということで、行かねば!と思いました。

■参加した理由
Webサービスに業務で関わっていることが大きな要因です。
「つくって終わり」じゃない。
「使ってもらう」「使い続けてもらう」「使うことで価値観をえてもらう」それがゴールであると思うんです。
そして、何よりも「楽しんでもらう」ことが重要。
デザインでユーザーの心を掴むためにはどうしたらいいか。
それにはヒトの行動心理を得る必要がある。
そういったアウトプットを続けていく中で、デザインする上でユーザー心理を掴む表現をすることが大事だな、と気付きました。

また、Web以外でもスマートフォンアプリのUIデザインなどに関わる機会が増えたから、という理由もあります。

■成果物としてのUXとはなにか
講演タイトルを踏まえ、「成果物」と「UX」の意味するところから、話は始まりました。

「成果物」
要素成果物と成果物、の2種に分かれる。

  • 要素成果物とは
    ・情報設計(IA)
    ・ユーザーテスト
    ・ペルソナ
    ・ワイヤーフレーム
    などなど、Webサイト制作上で制作側やクライアントの意識共有をさせるために必要なもの。
  • 成果物とは
    ・Webサイト
    最終的に提出するもの
  • 「UX」
    ユーザーエクスペアレンス。
    ユーザーは、ヒト。
    体験は、みる・聞く・触る、などなど何らかの行動を経験すること。

ユーザー、と言っても「使う側」と「作る側」の両方が考えられます。
わたしたち、作る側の人間にとっては、ついつい「使う側」のことばかりを考えてしまいますが、わたしたち「作る側」も、ユーザー。
2つのユーザーの存在を忘れてはいけないな、と思いました。

■実際にUXを生かすには
それでは、WebでUXを実際に考えるときどうしたらいいのか。
「サイトのゴールを明確にすること」と、恭久さんはおっしゃいました。

Webサイトを作るとき、もしくはリニューアルしたとき、必然的にサイトの目的を考えます。
目的はゴールとなり、わたしたちはそれを実現するために頭をめぐらせます。
作り手側の意識が共有化されていないと、明確なゴールは生まれない。
それは、自分の今までの経験からも強く実感できていることです。

セミナー2部で開催されたワークショップでは、実際にUXをどう生かすかどうかが実践的に得られました。
円卓を利用して行われたのですが、これが非常によかった。
普通の机とは違って、グループ皆との話し合いが円滑に進めやすいなと思いましたね。

私たちのチームでは、「まっさかりまつり」を題材に、「おサルがプレゼントを運んでくるサービス」というアイディアを提案しました。一緒に組んだ方々のひとりが考え付いたものなのですが、提案までまとめるスピードが速いなーと、自分に不足している部分も実感できたのでした。

■感想

正直なところ、UXという言葉の意味を不明瞭に捉えていました。
言葉自体は5,6年前から耳にしていたものの、概要的な説明が多く、はっきりとした輪郭は捉えられなかった。
が、本セミナーではそれらの輪郭が、幾分はっきり捉えられました。

Web以外のデザインでも、UXの概念は必要不可欠ですし、ものづくりをしていく上では欠かせないことだと思っています。
今後も継続して取り組んで行こうと思います。

■当日のスライド

■参考エントリー