「おいしい」の感覚をあわせる

おいしい、という感覚には個人差があると思うんです。

  • どんな食べ物を食べて育てられてきたか?
  • どんな食べ物を自分で食べてきたか?
  • 食べることに興味があるか?ないか?

生まれ育った環境、しつけ、食生活で、食の意識は異なるでしょう。
それを強く感じさせたのは、「結婚」でした。

自分がおいしいと思う感覚と、相手のおいしいと思う感覚は、これほども違うのか…と。

自分は青森生まれ。
青森と言えば、脳卒中・高血圧など生活習慣病のワースト圏内にいつもいる県です。
塩分の高い食生活で、インスタントラーメンの摂取量も日本一。
移動と言えばクルマ中心。免許を取得してからは、歩こうと自ら心掛けない限りは歩くことも少なくなりました。

結婚して、食文化が一新。
塩分は薄め。青森を10としたら、こちらは2くらい。
魚は白身や青魚が中心で、カタチは小さい種類が多い。

自分の食文化と、相手の食文化をあわせて、いかに毎日ごはんを作るか。
ありふれた毎日のタスクですが、これは結構悩ましいものです。
限られた食費、限られた調理時間のなかで、家族分のごはんをひとりでつくる。
いわば、いかに効率よくつくるか、の戦いなのです。

こちらに越してきて、4年めになろうとしていますが、日々くりかえしてきて、ようやく感覚をあわせられるようになった気がします。

デザインにおいてに変えてみましょう。
すべてのひとが「おいしい」と思えるデザインとはなんなのか?
デザインにおける「おいしい」とはなんなのか?
その回答はケースバイケースでしょうが、以下が挙げられるとおもいます。

  • 結果をだすことができること
  • 「たのしい、ワクワクする、幸せ」などといった感情をうむことができること
  • 行動と認識が生まれること

万人が「おいしい」と言えるモノを作り出していきたい。
そう思いつつ、日々デザインをしています。
そして、それにかかせないことがひとつ。
「ひとを知ること」
これに尽きると思います。